2月に告知を受けてから様々あった
なんて濃厚な日々だったんだろう…普通の日常を送っていたら果たしてこんな充実を得られただろうか
海外の音楽祭に招聘され、旧友とアンサンブルをし、マスタークラスの講師まで務めることが出来、現地の学生にとても慕われて写真を撮り質問をたくさん受けて幸せだった
後輩たちと大きなホールでの自主企画コンサートを成功させ、懐かしい先輩方や同級生にも聴いてもらえて、師匠には次の仕事までもらい、余韻までずっと幸せだった
自治体のマルシェイベントに呼んでもらい、大好きな朝ドラの曲を吹き、地元の子どもたちと楽器共演と楽器体験で交流し、笑顔をたくさんもらって幸せだった
もちろんその間も化学治療を続け、合わせの時は倒れ込むこともあったし、ステロイド点滴のせいで夜に目が冴えて妄言を吐き周りに大迷惑をかけたり、手術後の傷跡が治りきらず海外の決して衛生的とは言えないバスルームで、痛みに耐えながら自分で懸命に処置したりしていた
それでも音楽に囲まれている時間は何ものにも代え難く幸福で、充足感しかなく、毎日ごはんも美味しくて友との会話も楽しくて、自分ががん患者ということを忘れていられる瞬間さえあった
がん細胞とは結局のところ自分そのもので、私から生まれなぜか私を苦しめる私の一部なので、時々一体何と戦っているのか果たして戦うのが正しいのかと思うことすらある
そのことだけを考え痛みと辛さばかりに集中していると、どんどん鬱状態に陥る気がする…でもなかなか終わりがすぐにやってくることもない
ならばこの状況を少しでも攻略し打開し生きていくしかない、それは病人でも健常に生きていても同じなのだ。人はそれぞれに悩みを抱えている。私は病人になって悩みの面はほとんど免除されフリーにしてもらったので、今、病以外のストレスは全くないといってもいい。なんという幸せ。その恩を返すためにも、私は元気を出して奮起しなければ!そう決意する日々なのだった