本番も押し迫った6月。残り少ない練習日。
気がつけば完全におしりに火がついていました。
慌てて、何とか臨時練習をねじ込み、ついに前々日、ホールでのリハーサルの日になってしまいました。
密度の高い、集中した、効率の良い臨時練習が出来たことで、リハーサルは比較的スムーズに進行していきました。
司会の台本も初めて明らかになり、音響効果がかけられ、照明が入り、舞台の全体像が見えてきます。
自分たちだけで一曲一曲を練習しているだけでは分からない、コンサートの流れのようなものが出来上がっていきます。
おもしろい演奏会になりそう!という気分がメンバーに広がり、ここに来てやっと良い雰囲気が生まれました。
夕方6時半までという長時間、保育園で待たされた娘を急いで迎えに行って、そのまま二人でその日は外食。たのみすぎたおかずを包んでもらって夫の夕食に。さすがにへとへとでした。
土曜日をゆっくり休養に充てて、日曜日の本番にのぞみました。ゲネは午前11時からです。
自分のことだけしていれば良かった昔とは違って、朝から朝ごはんを準備し、さゆちゃんの世話をし、それからやっと自分の身支度です。
時間の使い方が前とは随分変わりました。ある程度不測の事態を見越して、計画を立てなければなりません。実際その日の朝に限って、おしゃれさせたプチバトーの上下に見事に牛乳をこぼしてくれました。焦りと苛立ちでキレそうになるのをぐっとこらえ、後から起きてきた夫の、現地まで車で送ってくれるという申し出に少し気を取り直し、伸びっぱなしの髪をなんとか形にしました。
急いで車に乗り込み、夫の運転だとイライラするので自分でハンドルを握りました。おなかかが苦しくなって以来シートベルトは締めてません。
やすらぎの道にさしかかった頃、対向車が不穏なパッシングをしました。案の定その先で、止まれの赤い旗を振る初老の警官…
「シートベルトせなあかんわー」
「妊娠中なんですがっ」
苛立ちのピークをやっとのことで隠して、それだけ言いました。何台もの車をやりすごし、本線に戻れた時には到着ギリギリの時間になっていました。
今日はついてない日かも…
という不吉な予感を振り切って、滑り込みでホールに到着です。軽い通し稽古を終え、あっという間に開場30分前。支給されたサンドイッチとジュースをのどに押し込み、化粧をし、ドレスに着替えます。おなかが大きくても入るドレスをアメリカ直輸入サイトで購入したのですが、さすがに妊娠後期にもなると、自分一人ではファスナーを上げることができません。結局二人がかりで手伝ってもらいました。
舞台袖にスタンバイし、メンバー全員にも緊張感が漂ってきました。「出産よりはマシだ!」なんて呟くメンバーもいます。
下手の分厚いドアが開き、「お願いします!!」とお互いを励ますように声を掛け合って、眩しいライトと拍手の中へ。もう後戻りは出来ない、前へ進むしかないこの瞬間が、私は実はとても好きです。
会場は予想よりも子どもたちの姿が目立ちます。お客さんの方も緊張しているのが空気感で分かります。みんな固唾をのんで、何が起こるのかじっと待っているようです。
5人での短い小品を二曲無事に終え、ソロのコーナーとなりました。演奏前に司会者がインタビューする形で、客席もだんだんと和んできたようです。私は最後に吹いたのですが、ホールに残る響きを楽しめるくらいの余裕はあったようです。音の出もまずまずでした。
次の台詞入りの曲では、終曲で笑い声も起こり、反応が良かったことに安堵しました。
後半の大曲で少し子どもたちに疲れが見えましたが、最後のお馴染み曲のメドレーでは手拍子も飛び出して、大きな拍手をもらって終えることができました。
オマケは楽器体験コーナー。フルートに初めて触れるこどもたちが私の前に列を作ってくれました。楽器を持って呆然としてる子、固まってしまう子、ニコニコ嬉しそうな子、本当に様々です。
途中舞台に上がって来た乱入者、わが娘が、一番堂々とフルートを構えて、舞台に立ってポーズを取っていたのは言うまでもありません…やれやれ
0 件のコメント:
コメントを投稿