2012年1月25日水曜日

長女の生活発表会(劇)のこと。

もうすぐ年中のさゆこの生活発表会がある。今年は泥棒学校という、ユーモアたっぷりの絵本をもとにした演目。


早速、歌や台詞を覚えてきては、毎日家で披露してくれる。ある日も劇の話をし始め、「劇はな、二人一組のペアになってやるねん。私はY君とやねん。」と言う。口では「へぇ」と言いながら私は、心の中で、え?と思った。


Y君といえば、クラスにいる自閉症の男の子。やはり集団行動は難しいらしく、常に先生がマンツーマンで付き添っている。


さゆこは口が立つし、近頃は一人前の事ばっかり言うので、先生が指名したんだろうか。Y君とだったら、今年はY君のペースだなぁと正直に言ってしまうと、少しがっかりした自分がいた。


それから数日たった今朝、急に先生から声をかけられた。Y君にいつもついておられる先生だ。


「お母さん、実はね、さゆこちゃん、劇の時、Y君とペアなんです」

「あ、聞いてます。」

「さゆこちゃん、最初に役を決めるとき、Y君とペアになる人ー?て聞いたら真っ先に手を挙げてくれたんです…練習の時も、Y君に『ゆっくりやろうね』て言ってくれて…本当にやさしい心が育ってきたなぁと思って、すごいなぁって」

朝が弱くて、送って行く時はいつもボーとしてる頭が、急にパァッと覚めた。「世話焼きなとこありますからねぇ」と精一杯謙遜しようとしたが、どうしても感動してしまって目頭が熱くなってくる。


自分のお腹から生まれた子だけれど、もう私には出来ないかもしれないことを、あの子は出来たんだ、私ならきっとすぐには立候補はできないだろう、誰か他の子が手を挙げてくれないかな、と様子を見て、挙げてくれたらホッとする…私はずっとそんな風にやってきた気がする。Y君とペアになると聞いた時も、さゆこのことしか考えなかった。

こんなに狭く小さな母親に育てられているのに、なんて立派になったんだろう。


さゆこという一人の人間としての存在を、心から尊敬したいと思った、幸せな、幸せな、朝でした。

がんができて。