ぱったりとなにもかもが止まったかのように失われた2019年から、ちょうど3年が経とうとしている。
ここまで本当に長かった。変わり映えのない毎日にうんざりし、いつ終わるとも知れない気の遠さに心身は擦り減っていった。白髪は大量に増え、就寝中は歯を食いしばっていた。肩に激痛がはしり、首のリンパ腺が腫れ、目の奥はズキズキしていた。ずっと収まっていた手荒れが再発しなかなか治らなかった。ストレスに蝕まれてゆく自分の身体を、私はただ茫然と眺めているしかなかった。
最後に出演したイベントがSNSに記録されていて、2019年となっていた。
そしてようやく今年その催しに再び出ることが決まった。3歳としをとってしまっていた。
年齢を重ねてからの数年は大した事ないと言われたりするが、こうして失ってみて初めて大切で貴重な3年間だったんだと強く思う。自分というものを大方もぎとられたような日々は、生きている意味が見出せず、耐え、凌ぎ、やり過ごすだけのものだった。
この間、決して少なくはない俳優や表現者が自ら命を絶った。さまざまな事情があるとはいえ、その想いがわかる気がしてしまう。それほどに過酷な喪失だった。
今、やっと穏やかに精神がバランスをとっているのを感じる。予定されたステージ、子どもの行事、旅行の計画や海外アーティストのコンサートの案内…それらを目にするだけで、あらゆる不調がみるみる鎮まっていくのがわかる。
また反対に、それらがなかった時間に私がどれだけ苛まれていたのかが実感され、強い恐怖を覚える。
瞬間瞬間を悔いのないように生きたい。失われた時を取り戻すためにも。