2021年8月23日月曜日

コロナ禍に吸い上げられる

 誰もが終息を願って何度も延期し、莫大な時間をかけて準備したプランを中止し、たとえ決行したとしても肩身は狭く、もちろんふれ合える喜びも、共に分かち合う喜びも、自分一人の中に収め鎮めなければいけない。

素晴らしいものであるだろうと想像していた、何年か越しの有観客での大ホールでの合奏演奏は、大袈裟に言うと恐怖と隣り合わせた、おおよそ表現する喜びとは縁遠いものだった。

終わってしばらくたち、残ったのは身体の疲労と、満たされず発散されずに吹き溜まったパフォーマンス欲のようなもの。

制限されるということは抑圧されるということで、それは萎縮を生み気持ちは閉じられていく。演奏という最も自己を解放し精一杯伝えようとするいとなみと、それは真逆のベクトルだ。


誰のせいにしたとしても終わりの見えない、希望を見出せない今が、とてもとてもつらい。

がんができて。