2023年2月1日水曜日

夫の寝言

突然にやってきて私を苛む不調。

しゃがんで立った時のブラックアウト。いつもは感じないはずの頭部の重みが首にのしかかり、鈍痛をもたらす。

それはじわじわと広がってやがて目も開けていられなくなる。頭痛は吐き気すら誘発する。

フラフラと日頃より早く一人寝床に入った。過重な自分の頭を枕に沈めて痛くないポジションを探しているうちに眠りに落ちたようだった。

ふと目が覚めてじっと頭痛を自覚していると、隣で震える声が聞こえた。

「マキちゃんがどんな気持ちで…」
「マキちゃんにとりあえずいっかい謝って」
「黙って聞けっていうてるやろが!」

私の名前を何度も口にする、ハッキリとした夫の寝言だった。しばらく飲み込めず目を開けて咀嚼していた。夫は夢の中で私のために何かに向かって本気で憤りかなり怒っていた。

普段は事なかれ主義で、誰に対しても争わないし、冗談とも本心とも取れないようなことを私に対しても言う夫が、なぜか夢では大胆にも強気で誰かと戦っていた。私のために。

これがたとえ潜在として夫の中にあるだけで、一生、表には出てこないのだとしても、私は嬉しかった。今まで夫婦を続けてきていろいろなことがあったが、これからはこの人を心から信じられる、そう思えた。

どんな夢を見てたのか少し聞いてみたいけど、きっとおかしなつまらないことだろうからやめておこう


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がんができて。